どんとこい背後霊

かわいそうに、断りきれなかったんだろうな…。

「…私は…私は…この手で…この、手で…

ネズミを…ネズ…」

「あなた、まさか?素手で?」

「わあああっ!」

彼女は床に突っ伏し、再び泣き始めた

誰もいない教室で、私はマミと二人

どこかから、ブラスバンド部の練習する楽器の音色が聴こえる

窓からは、グラウンドで練習する野球部の連中の声が響いてくる

こんな平和で穏やかな学校生活のなかで、私たち二人だけが地獄の底にいる

なんて不幸なんだろう

ああ、ダメダメ。自分を悲劇のヒロインに設定しちゃダメだ

余計惨めな気持ちになってしまう

何とかしなきゃ、ダメだ

無理してでも、前を向かなくちゃ