どんとこい背後霊

風邪をひいてしまう

すでに…彼女の唇は、紫色に変色しつつある

私は、彼女が引き上げてくれた防具袋を左肩に担ぎ、右肩でずぶ濡れのマミを抱え、とりあえず保健室へ

「先生、先生ッ!」

お昼ご飯を食べていた保健の先生に、簡単に事情を説明し、マミを託し…

私は保健室を飛び出した

「ちょっと、宮田さん!
あんたもびしょ濡れやないの!」

背後に、先生の声が聞こえた

私の足は、教室に向かっている

心の中に、チロチロと炎が燃えつつある

『まこと…防具袋を投げ入れたのは…』

『わかってるよ』

たっぷりと水を吸って、いつもより重い防具袋を肩にかついで…

教室の前に立つ

中からは、クラスメイトたちのおしゃべりの声が響いてくる