「あんたは、この邸の居候よ?少しは役に立たないと、と思うのが普通でしょう?」

「ほぅ。ですが、残念ね。大君。私は、貴女の女房ではないのです。お分かりかしら?」

キッと、大君が歯を食いしばった。
相当イライラしているらしい。

大君が姫君を虐める理由は、幾つかある。

自分よりも美人で、何をやらせても上手。その上、身の上もよろしい。

大君は己の身の上が姫君よりも相当低いのに、苛立ちを覚えている。

「フンッ!お父様もお母様も、お人好しだこと。こんな馬鹿な娘を拾うだなんて。」