(しかし、いいのかなぁ。確かに、僕は幽霊だけれど。)

久光は姫君の言う通り、隣で寝転んでいたが、それが気がかりだった。

「ねぇ、久光。」

「何です。」

「ずっと、このまま此処に居てよ。」

「出来る限り、そうしたいものですよ、僕は。」

照れ隠しに、久光は姫君に背を向けていた。

「前みたいに、わっと抱きついてきてもいいよ。」

「ははは。いつもとは、違いますよ。場所も状況も。」