姫君は久光を自分の帳台まで連れていった。

「ちょっ……………姫………………」

久光と珠寿が同時にこの台詞を口にした。

久光は姫君の帳台の外で眠ろうとしていたからだ。

「朝になったら、起こしてね。皆がお参りから帰ってきたら、大変。」


「姫、よろしいんです?僕を此処に連れて入って。」

「いいのよ。それに、私と珠寿にしか見えていないみたいだから、咎められることもないしね。」

ふふふ、と姫君は微笑んだ。