曼珠沙華 -夢の通路-

姫君は、笑う。
無邪気に。


「顔を見られないよう、気をつけなさい、琴乃。」

「えぇ〜。」

「えぇ〜じゃ、ありません。本来なら、貴女は外に出てはならないのです。」

叱る母に対し、つん、と姫君はそっぽを向く。

「姫様!」

常識ある珠寿は、軽い感じで身軽な姫を気にかけていた。

「別に、いいじゃない。私は、見られちゃあいけない程、綺麗じゃないもの。」