姫君は退屈していた。
広いお邸でも、ずっと閉じ篭っていれば、窮屈だ。

「姫様。」

そんな姫君にとって、1番楽しいことは、少年と遊ぶことだった。

「姫様、面白い噂話を聴きましたよ。」

と、持ち出してくる噂話は、姫君をとても楽しませていた。

「姫様、噂ばかりお聞きになられて、本当に、皆様、噂話がお好きですね。」

目で見たことしか信じない、現実主義者の珠寿は、そんな皆を軽く批判していた。

「良いじゃないの、楽しいのだし。」