曼珠沙華 -夢の通路-

「なら、泊まっておいきなさい、久光。どうせ、皆、お参りでしばらく帰ってこないのだから。」

そう言い、姫は久光の頭を撫でてやった。

「え?いいのですか?」

「うん、少し、寂しかったからね。誰もいない、というのも。」

「寂しかったのですか?」

そう、無邪気な子供の顔をして問う久光を、可愛い、と、姫君は思った。

「まぁ、久光、貴方、何故此処に!?」

食事を運んできた珠寿が、目を丸くしている。

「だって、姫様が悲しいお歌を詠まれたから。」