(起きたら、ビックリするんだろうな。)

そう、大君はクスクスと笑った。


朝、「何よ、これは!」と言う、珠寿の驚いた声で姫君は目を覚ました。

「何?朝から、大騒ぎして。」

「ひ、姫様のお召し物が、無くなっているのです、確かに昨晩は此処にあったはずですのに。」

「まぁ、いったい、何故?」

姫君も珠寿も、心当たりはあった。
-大君だ。

「酷いですわ、此方では、箏の弦まで切られております。まぁ、何て酷なのでしょう!」