曼珠沙華 -夢の通路-

『死にたきゃ、来れば?』

その意味を理解するのに、そう、時間はかからなかった。


「ちょっと。」

大君が姫君の部屋に押し入ってきた。

「何。」

「あたしの袿縫ってよ。破いちゃったから。」

「自分の女房にやってもらえば?私がやることじゃあないわ。」

元々、そういった縫い物をするのは、召使いの仕事である。

「五月蝿い、居候のくせに!」

大君は袿を丸めて、姫君に投げつけた。