イライラしている珠寿の隣で、スッと姫が、立ち上がる。

「あ、姫様。」

そのまま大君に近づくと、立ち止まった。

「何よ、あんた。」

「私は、琴乃。以下、御見知り置きを。貴女の、叔父の娘よ。」

ふぅん、と興味が無さそうに、大君はあしらった。
それに、姫はたいそう立腹する。

「死にたきゃ、来れば?」

何て無礼な、と珠寿は思う。

それと同時に、何故そんなことを言うのか、とも不思議に思う。