「新しいお父様とお母様だよ。」

生き残った姫と珠寿は、父君の弟の邸へと引き取られた。

「初めてお目にかかります。」

珠寿がそう言い、姫君と同時に頭を下げた。

「誰よ、あのす〜ごく醜い女は!」

2人が頭を上げた瞬間、1人の娘が部屋に飛び込んできた。

「醜いですって!私の姫様がぁ!」

「落ち着きなさい、大君(長女)!あの娘は、貴女の従姉妹だよ。」

(我儘放題ね。何て、子供みたいで愚かな姫でしょう。)

珠寿は溜め息をつく。