「痛ッ“!」

久光は叫んだ。

「誰か、ある!」

姫君は人を呼ぶため、叫んだ。
しかし、誰も駆けつけない。

「何故、何も来ないのです!」

腹を立てた珠寿が部屋の外を見てみた。
そこには誰も居らず、ただ、血塗れの人が事切れているのみだ。

「嘘、でしょ?」

呆然と立っている珠寿を目覚ませたのは、姫の、「久光〜ッ!」という叫び声だった。

「如何なさいました、姫様!!?」