ここはとある町の花市場

『おはようございます』
ふと振り向くとそこには 見掛けない一人の若い男の子が笑顔で立っていた。

誰だろう‥?
まぁとにかく挨拶してるわけだし‥

『おはようございます』

仕事をしながら一言返事で返す。

その後、何もなかったようにやりかけの仕事を続けようと薔薇の束を手に取ると‥

『凄いですね!痛くないんですか?』

またさっきの声がした。
声のする方を見るとさっきの男の子が興味深そうにじっと私の方を見ている。

無視することはできないので質問に答える。

『毎日の事だから‥』

と一言返す。すると‥

『そうなんですね。忙しいのに手を止めてしまってすいませんでした。じゃあまた!』

と少し照れた感じでそう言ってその場からいなくなった。

それが彼との初めての出会いだった‥