陽奈は中学校のときから葛西くんのことが好きだったらしい。葛西くんというのはサッカー部でまさに爽やかイケメン!らしい…



あとで葛西くんを見に行きたいと言うと恥ずかしげに「無理無理無理!」と顔を隠しながら言われた。



気づけばクラスにはほぼ全員集まっていて、みんな周りの人たちと気を使いながら話していた。



「はい。みんな席座れー。」

30代前半くらいの優しそうな先生が入ってきた。



「俺はこの1年C組の担任になった、高木 晴人(たかぎ はると)だ。よろしくな!」



自己紹介を簡単に済ませるともうすぐ入学式が始まるから並ぶぞ〜と言い、体育館へ向かった。



知らない顔ばかりで少し緊張する。


私は小さな声で後ろの陽奈に聞いた。


「ねぇ、陽奈!葛西くん、どれ?」


「え!えぇーっと、E組の……あの背高い人だよ。」


顔を赤らめながら言う陽奈は本当に恋してるんだなって思う。



「え!めっちゃかっこいいじゃん!陽奈のこと応援するから頑張って!」


私は出会ったばかりだけど陽奈の気持ちを無駄にしたくないと思った。