ようやく高校が見えてきた。
校庭は桜が満開で新しい制服を着た新入生で溢れている。
「うわ〜桜綺麗だね。」
思わず声が出てしまった。
「本当だな。あ、向こうでクラス掲示されてるみたいだぞ。」
伊織が指をさしそう言ったところには人が集まっていた。
私たちも見ようとしたものの人が多すぎてなかなか見られない。
「あ、俺たち一緒だ。C組だってよ。」
ようやく見えた伊織がそう言った。
「えぇー同じなの〜!?」
お互い不満を漏らしながら教室へ向かった。
ガラッと教室に入ると何人かの生徒が座っていた。私たちも黒板に掲示されていた席に座った。
席は男女別々だったため伊織とは少し席が離れていた。
まだ時間あるなと思っていたとき、後ろから肩を叩かれた。
「私、黒澤 陽奈(くろさわ ひな)。陽奈って呼んでね!よろしく!」
そう言った後ろの席の子は少し茶色っぽい髪の色でパッチリ二重で可愛くて元気な女の子という印象だった。
「私は茅井 留愛。私も留愛でいいよ。こちらこそよろしくね!」

