「何でこんなことになったんだろ…。」

電車のなか。

疲れてるからか皆会話もなく、
いつの間にかオレンジ色になった空を眺める。

そうしてるうちに心のなかの声が漏れた。

「そうだね、僕達なにも悪い事してないのに。」

それに反応するくぅたん。
くぅたんがこんなに悲しい顔するなんて…。

私、くぅたんは明るいのが普通だと勘違いしてたみたいだ。
くぅたんだってきぃくんだって深く考え込むことくらいあるのに。

見た目が可愛いぬいぐるみだからそんなこと考えもしなかった。

「ナナ…くぅたん、元気出して?」

私が自分を責めてるときぃくんが慰めてくれた。
きぃくんは優しくて気遣いのできる子なんだなぁ。

もっと知りたいな…この2人のこと。
それで私のことももっと知ってほしい。

私はこの瞬間1分1秒、
この3人でいられてとても幸せだって思った。

「ありがとう。優しいね、きぃくんは(^-^)」

「僕も、ありがと!少し元気でた!元気出さなきゃやってられないしね~!」

くぅたんのこの言葉で3人に笑顔が戻った。
そしてお互いの笑顔を見て幸せな気分になった。

「照れる(*/□\*)」

きぃくんがてを顔に当てて真っ赤な顔を隠してる。
笑顔から急に真っ赤な顔になったきぃくんを見た私とくぅたんは思わず、、

「「か、可愛いぃ♡」」

と声を揃えて言った。

「へっ??」

小さい声だったから聞こえなかったらしく、
きぃくんは1人頭にクエスチョンマークを浮かべた。

「なんでもないよ?…それよりもうすぐ駅つくね!」

可愛いときぃくんには言えない。
だから話をそらすため外を指した。

指差した急カーブの先には見慣れた駅があった。

「あ、本当だぁ!なんか懐かしく感じるなぁ。」

そうだ…。

くぅたんときぃくんもよく小さい頃一緒に出掛けたから見たことあるんだ。

「そうだね!帰ってこられたんだ…僕達。」

「うん!帰ってこれた!」

「死んでるけど皆で帰れたのは嬉しいね!」

くぅたんときぃくんと3人で帰ってこれるなんて…。
私1人だったら帰ってこれなかったよ。

死んじゃったけど…、
私は生きてたときよりも今の方が幸せ。

くぅたんときぃくんと話せて、
くぅたんときぃくんと歩けて、

もうこれ以上の幸せはないよ!

「「うん!」」