「ナナ…起きて。」
「朝だよ?起きて。」
幽霊でも寝るみたい。
朝になって誰かに起こされたような気がして目が覚めた。
「ふぁぁ。…誰?」
ぼんやりとしか見えない姿。
2人いる。
でも人間ではない位置に耳があることはわかった。
「ナナ…。」
「ナナぁ。」
「…っ?あ、あれ?」
2人の声を聞いて何故だか涙が出てきた。
「僕達のこと、忘れたの?」
2人のうち1人がそう言うとぼんやりだった姿がはっきり見えた。
「く、くぅ…たんときぃくん…なの?」
白装束を来たくまのぬいぐるみが2匹…。
それはくぅたんときぃくんだった。
「そうだよ…。」
「ナナ…どうして死んだの?」
きぃくんが聞いてきた。
そこで思ったんだけど…、
何で私は2人と話ができてるの?
「どうしてって…それしかなかったからでしょ。それよりさ、何で話せてるの?」
「僕達も死んだんだよ。」
「え?」
訳がわからない。何言ってるの…?
何で2人が死んだの?
「僕達ね…元々ただのぬいぐるみだったけど、僕達を思うナナの気持ちが僕達に魂を与えたんだ。…それでね、動けるんだよ。僕達から離れて、戻ってきたときとかに違和感感じたことない?」
ゆっくりとくぅたんが話始めた。
そして違和感を感じなかったかと聞いてきた。
「あ…。」
思い当たった。
昼寝する前にそんなこともあったな…って。
「あるんだね?…話を戻すと、僕達は自力で動けるんだ。だからナナに投げられてここに落ちたあと、ナナの所に戻った。でもナナが死んだあとだったんだ。…でね、僕達も死んだ。ちなみに場所はごみ捨て場だよ。そこだと不自然じゃないでしょ?」
非現実的すぎて…わからない。
幽霊になってる時点で非現実的かもだけど。
「え…待って、話についてけない。」
「わからなくてもいいよ。ただ僕達に魂があることだけ、わかっててくれればね?あ、死んでも一緒にいれるってこともね。」
2人と一緒に…いれる。
「一緒にいれるの?…本当に?」
「本当だよ。」
くぅたんときぃくんが私に向かってにっこりしてるから私も自然と笑顔になった。
そうしてしばらく笑いあった。