私は自分のセーラー服からタイを抜くと鳩に投げつけた。「俺に投げないでくださいっす。押さえるから捲きつけて」
「あ、ごめん」
鵺に触れる、ということ自体が嫌だったのでつい考えもしていなかった。
「なんでお前は俺の邪魔ばかりしようとするんだ!」
「邪魔じゃない! 君を止めたいんです、鵺」
暴れる鵺に引っ掻かれても鳩は怯まず笑っている。何か助けようと、キッチンからフライパンを拝借し鵺に頭をスッパーンと叩くと、鵺は一瞬白眼になった。
「やば。死んだ?」
「大丈夫。今のうちに縛ってください」
くてんと力が抜けた鵺の両手を縛ると、テーブルの足にくくりつけた。念の為、秘め百合で忌みの放出されている身体を切ったけど、忌みの放出は止まらなかった。
「これ、ヤバいかも」
「何ー?」
鵺の部屋に入った鳩が片手で口を覆うとよろけた。私も中を覗くと、引っ越してきた時の段ボールが数個壁際に寄せられているのと、折りたたみベット、そして勉強机があるやや小さな部屋だった。けど。勉強机の上に、ばらばらに分解された銃が置かれている。
「もしや、鵺君は、銃を改造しているのやもしれない」
部屋に立ち込める火薬の匂い。バラバラに分解された銃は、サバイバルゲームなどに用いられることが多いエアガン。部屋の隅の段ボールからは本物のように塗装された電動ガンやエアガン。
「でも、ゲーム用の銃なんて改造してもそんなたかが知れてるでしょ?」
「うーん。俺が鵺君なら、本物のピストルを持っているのに偽物を大量に作ろうとも思わないし、ましてやエアガンとかを改造する必要ないと思うっす」
段ボールの中の銃を持ち上げて、鳩は顎に人差し指を置いて考える。
「どう?」
さっきの風船が破裂したような音といい、分解されたエアガンといい、私には分からないことだらけだ。
「確か、写真屋のお爺ちゃん、手を怪我してって言ってましたよね?」
「うん。自分でバイクを転がせる程度の大けがだと」
「それって、もしかして鵺君はここを改造したかったのかもしれないっす」
鳩はそう言うと引き金を押さえた。
「ここ?」
「引き金を引いたら爆発するように、此処の部分を逆流させるために蓋をして、 ここから火薬を――」
鳩が丁寧に説明してくれてるのが何となく分かったけど、理解するのは難しかった。どうしてそこでそうなるんだ。
「あ、ごめん」
鵺に触れる、ということ自体が嫌だったのでつい考えもしていなかった。
「なんでお前は俺の邪魔ばかりしようとするんだ!」
「邪魔じゃない! 君を止めたいんです、鵺」
暴れる鵺に引っ掻かれても鳩は怯まず笑っている。何か助けようと、キッチンからフライパンを拝借し鵺に頭をスッパーンと叩くと、鵺は一瞬白眼になった。
「やば。死んだ?」
「大丈夫。今のうちに縛ってください」
くてんと力が抜けた鵺の両手を縛ると、テーブルの足にくくりつけた。念の為、秘め百合で忌みの放出されている身体を切ったけど、忌みの放出は止まらなかった。
「これ、ヤバいかも」
「何ー?」
鵺の部屋に入った鳩が片手で口を覆うとよろけた。私も中を覗くと、引っ越してきた時の段ボールが数個壁際に寄せられているのと、折りたたみベット、そして勉強机があるやや小さな部屋だった。けど。勉強机の上に、ばらばらに分解された銃が置かれている。
「もしや、鵺君は、銃を改造しているのやもしれない」
部屋に立ち込める火薬の匂い。バラバラに分解された銃は、サバイバルゲームなどに用いられることが多いエアガン。部屋の隅の段ボールからは本物のように塗装された電動ガンやエアガン。
「でも、ゲーム用の銃なんて改造してもそんなたかが知れてるでしょ?」
「うーん。俺が鵺君なら、本物のピストルを持っているのに偽物を大量に作ろうとも思わないし、ましてやエアガンとかを改造する必要ないと思うっす」
段ボールの中の銃を持ち上げて、鳩は顎に人差し指を置いて考える。
「どう?」
さっきの風船が破裂したような音といい、分解されたエアガンといい、私には分からないことだらけだ。
「確か、写真屋のお爺ちゃん、手を怪我してって言ってましたよね?」
「うん。自分でバイクを転がせる程度の大けがだと」
「それって、もしかして鵺君はここを改造したかったのかもしれないっす」
鳩はそう言うと引き金を押さえた。
「ここ?」
「引き金を引いたら爆発するように、此処の部分を逆流させるために蓋をして、 ここから火薬を――」
鳩が丁寧に説明してくれてるのが何となく分かったけど、理解するのは難しかった。どうしてそこでそうなるんだ。



