教室に飛び込むや否や、梶原先生が面倒くさそうに黒板に係を書き出す中、堂々と教室の扉を開ける。愛海は爆笑していたが皆は目をパチパチさせていた。
「すいません。途中で貧血で休みながら登校したら遅刻しました」
ふらりとよろけて扉で身体を支えながら言うと、梶原先生がじとーっと全く信じていない目で見ていた。でも先生に信用してもらわなくても周りには病弱に映るので問題ない。
「じゃあ、お前は保健委員でいいな」
黒板に書かれた保健委員は男女一人ずつになっている。知らん男と保健委員とか嫌だ。
「ほほ。私は人見知りなので愛海と一緒の委員ならなんでも」
さり気無く席に座りながらやんわり言うが、愛海は爆笑したままだ。
「私、体育委員希望だから病弱美少女には無理だと思うよ」
愛海に裏切られた、もう連れトイレは一緒に行ってやらないと決意した瞬間だった。
「私、愛海しか友達居ないのに……。大体私が保健委員なら私が倒れたら自分で自分を連れていかなきゃいけないなんて。転がればいいのかな」
「ぶっ転がるっ」
「吉良、独り言は脳内で留めておけ。保健委員したいやつはこいつとじゃんけんしろ。あとの委員も挙手して重なった奴らからじゃんけんして決まった奴の名前書け。俺は今日の家庭訪問の脳内シュミレーションを行う」
尤もらしいことを言いながらも梶原先生も思いっきりサボっているのが分かった。一年の時に係決めはしたから知っているけど、教科係は提出物を集めてるだけで簡単だけど、保健委員は保健だよりとか地味に集まらなきゃいけないことがあるからだるい。一番課題が軽いプリント系ばかりの数学とかが狙い目なんだけど。数学って梶原先生だしなあ。
「はっ。副委員長。副委員長なら仕事も無く集まりも委員長だけで良い場合も多く、地味に評点アップにも繋がる地味だが美味しいポジションが!」
「……私の脳内っぽく言うの辞めてくれませんか、先生」
地味って二回も言ってやがるが、委員長系は大変なのは火を見るよりも明らかだ。
「体育委員にしようかなー。そうすれば体育祭の応援団免除されるし」
「病弱軟弱もやしの比奈は無理無理」
病弱じゃないことを知っているはずの愛海がにやにや庇うから、四月でまだ私の事を知らない周りも辞めときなと同調し出した。打つ手なし。保健委員か副委員長か。
「図書委員……」
は、既に数人でじゃんけんを始めている。競争率高そう。ちらちらと黒板の前で私が何を選ぶのか待っている数人の男子もいる。どうしよう。学校辞めたい。
「俺がクラス委員するー。めっちゃする。だから、吉良はさぼればいいんじゃね」
黒板のクラス委員長の名前のところにでかでかと自分の名前を書いたのは『河津 健也』だった。サッカー部の小麦色の一見チャラそうな感じの男の子だ。
「はーい。じゃあ私が副委員長するね」
すかさず挙手したのは、ポニーテールが可愛くて評判のサッカー部マネージャーの穂花(ほのか)ちゃんだった。
「お前は体育委員するって言ってたろ」
「だってぇ。健也と一緒だって思ってたんだもん」
「うっせ。いつも一緒なんだから違うのやれよ」
「もっと一緒に居たいの!」
「何あれ……」
二人の世界というか、ハートが飛び交うような甘い雰囲気に心がやられる。これは、もしやあれか。二人は付き合ってるとかそんな感じなのかな。
「じゃあ私が保健委員して、比奈ちゃんを保健室へ運ぶ役目をすればいいんだよね」
「すいません。途中で貧血で休みながら登校したら遅刻しました」
ふらりとよろけて扉で身体を支えながら言うと、梶原先生がじとーっと全く信じていない目で見ていた。でも先生に信用してもらわなくても周りには病弱に映るので問題ない。
「じゃあ、お前は保健委員でいいな」
黒板に書かれた保健委員は男女一人ずつになっている。知らん男と保健委員とか嫌だ。
「ほほ。私は人見知りなので愛海と一緒の委員ならなんでも」
さり気無く席に座りながらやんわり言うが、愛海は爆笑したままだ。
「私、体育委員希望だから病弱美少女には無理だと思うよ」
愛海に裏切られた、もう連れトイレは一緒に行ってやらないと決意した瞬間だった。
「私、愛海しか友達居ないのに……。大体私が保健委員なら私が倒れたら自分で自分を連れていかなきゃいけないなんて。転がればいいのかな」
「ぶっ転がるっ」
「吉良、独り言は脳内で留めておけ。保健委員したいやつはこいつとじゃんけんしろ。あとの委員も挙手して重なった奴らからじゃんけんして決まった奴の名前書け。俺は今日の家庭訪問の脳内シュミレーションを行う」
尤もらしいことを言いながらも梶原先生も思いっきりサボっているのが分かった。一年の時に係決めはしたから知っているけど、教科係は提出物を集めてるだけで簡単だけど、保健委員は保健だよりとか地味に集まらなきゃいけないことがあるからだるい。一番課題が軽いプリント系ばかりの数学とかが狙い目なんだけど。数学って梶原先生だしなあ。
「はっ。副委員長。副委員長なら仕事も無く集まりも委員長だけで良い場合も多く、地味に評点アップにも繋がる地味だが美味しいポジションが!」
「……私の脳内っぽく言うの辞めてくれませんか、先生」
地味って二回も言ってやがるが、委員長系は大変なのは火を見るよりも明らかだ。
「体育委員にしようかなー。そうすれば体育祭の応援団免除されるし」
「病弱軟弱もやしの比奈は無理無理」
病弱じゃないことを知っているはずの愛海がにやにや庇うから、四月でまだ私の事を知らない周りも辞めときなと同調し出した。打つ手なし。保健委員か副委員長か。
「図書委員……」
は、既に数人でじゃんけんを始めている。競争率高そう。ちらちらと黒板の前で私が何を選ぶのか待っている数人の男子もいる。どうしよう。学校辞めたい。
「俺がクラス委員するー。めっちゃする。だから、吉良はさぼればいいんじゃね」
黒板のクラス委員長の名前のところにでかでかと自分の名前を書いたのは『河津 健也』だった。サッカー部の小麦色の一見チャラそうな感じの男の子だ。
「はーい。じゃあ私が副委員長するね」
すかさず挙手したのは、ポニーテールが可愛くて評判のサッカー部マネージャーの穂花(ほのか)ちゃんだった。
「お前は体育委員するって言ってたろ」
「だってぇ。健也と一緒だって思ってたんだもん」
「うっせ。いつも一緒なんだから違うのやれよ」
「もっと一緒に居たいの!」
「何あれ……」
二人の世界というか、ハートが飛び交うような甘い雰囲気に心がやられる。これは、もしやあれか。二人は付き合ってるとかそんな感じなのかな。
「じゃあ私が保健委員して、比奈ちゃんを保健室へ運ぶ役目をすればいいんだよね」



