そう言ってサングラスを外し、ドラガンを睨みつける。岳理は百八十センチも無く、ドラガンは百九十センチぐらい。身長差に負けず岳リンさんは睨みつけ、、みかどを背にかばった。

「フーン。デートだッタのネー」

 あっさりと引いたドラガンに、岳理が微かにホッとしたのか息を吐いた。
「あ、あの」
「お前、トロそうだから変なのに声かけらるんだよ」

 苛々した様子の岳理は睨みつける。勝手な勘違いだけど御礼を――そう思いながらも、岳理の冷たい視線が怖くて、身動きが取れなかった。

「……何」
 訝しげに見る岳理にみかどはテンパっている。

「で、デートって初めてだから、緊張しちゃって……」


 岳理は、みかどの全開とは違う雰囲気に少し、驚いていた。
「お前、デートってメールしたのは、言葉の綾だぞ……」
 そう言うので、下を向く。
「で、も、これが私の初デートになってしまうから、きちんとしたかったんです……」
 そう言うと、岳理は頭を押さえるように髪を掻き、舌打ちをした。
「調子、狂うな。お前」
 苛々している岳理に、更に追い討ちを立てた。
「遊園地、一緒に行って下さい」
「……は」
「私も貴方も、互いに話があるのは承知の上です。でも、私の初デートを台無しにはしないで下さい!」
 私の勢いに、やや推されている岳リンさんにもう一押しだ。
「初デート、なんです……」
 そう、悲しく呟いて、見上げたのだ。これが皇汰の指示だったのは一生秘密にする。