「大丈夫だよ」
「なら、明日の打ち合わせを再開するよ」
 安心したのか、やや鼻息を荒ただせ計画を簡単にだが伝え出す。前回、買い物カートで敷いたり、お店の棚に突っ込ませたりしてるから、少し不安な為みかども真剣だ。


決戦の日曜日。

みかどは先日の駅前広場で、岳リンを待つ。

 朝から、トールさんがお化粧をし、リヒトが服と髪型をセットして降ろした髪をクルリと巻いて、控えめな化粧に、桜色のワンピース。皇汰と千景は何処からかみかどを監視している。みかども岳理を緊張しながら待っている。

「アレー! アナタ、みかどサン」

 後ろから声がして、身構える。このパターンは、前回の岳リンで学習済みだ。
「がくリ……」

 緊張しつつ笑顔で振り返ると。
「やぱりっみかどサンでしたねー。ワタシ、分カリマスカ」

 そこには、何故か片言の日本語を話す、神父のドラガンが居た。不自然な発音で話すドラガンは、先日の達者な日本語が嘘のよう。

「ドラガンさん……」

 首を傾げると、ドラガンはみかどの耳元まで屈み、囁くように言う。

「駅前でネイティヴな日本語は話せません。誰が聞いてるか分からぬから自分より、日本語が上手い神父は嫌煙されるのじゃ。わざと片言に直しておる」
「た、大変なんですね……」
 へらっと笑うと、ドラガンは凛々しく微笑んだ。

「今かラ、休憩ネ。撫子も一緒行カヌかね」

「これ、俺の妹なんだけど」