カフェ『アルジャーノン』の、お兄さん☆


店長は美味しそうなホットケーキとアイスクリーム、そしてチョコパフェをお盆に乗せた。誰のかなと首を傾げていると、視界にあるものが入った。カフェの入り口に、大勢の女性が開店を今か今かと待ち構えている。

「今日はまた一段と忙しそうです。お願いしてもいいですか」
「はい!」

 手伝うのは何だろうと思ったら、店長はデザートを置いてまたキッチンへ走って行く。どうやらみかどに二人のお守りををお願いしたらしい。店長が現れると、猫四天王は浮気が見つかった彼女のように、気まずげに店長にすり寄っていく。店長は、その姿に鼻の下を伸ばしてニコニコしている。
「見てみろよ、鳴海んっ。俺のデザインしたその服、女の子が着たらヤバい程可愛いだろ」「そうですね。華やかになります。さ、みかどちゃんも、プリンをどうぞ」

 結局理由を分からないままの店長に椅子を引いてもらい、恐る恐る2人から少し離れて座った。店長が作った、蜂蜜プリンはとろっとしてて、甘くて……美味しい。
「やっぱ、女の子のために、スイーツって生まれたと思う」

「美味しそうに食べる女の子って、食べちゃいたくなる程可愛い」
(ひっどうしよ、た、食べられる……)
 だがこの二人の浮世離れした美形さならば、吸血鬼だと言われても納得がいく。

「みかどちゃんを困らせないでください。みかどちゃん、この2人、女性を見れば口説くんだから気をつけて下さいね」
「失礼な」
二人は声を合わせて店長を睨みつける。
「ただ、女の子は皆、生まれながらに美しい!」
「男たちはそんな姫を守る為に生まれたんだ!」
 二人は芝居かかった口調で言うが、生まれもって美しいのは二人だろう。みかどは口には出さないがそう思っている。