顔を上げて金髪の人は目を細めて、微笑んだ。ただ、それだけのことなのに、みかどは倒れてしまいそうな恥ずかしさが込み上げてくる。深々と頭を下げ、再び2人を見ると、二人を奇声を上げ驚いた顔でみかどを見る。
「あ、の……」
「どうして、君みたいな可愛い子が家を追い出されなくちゃいけないの!」
美しくハモる2人は顔を見合わせ、そして、段々と瞳を輝かせて喜びだす。
「このカフェに兄が居るかもしれないって! それ俺じゃない」
「そうそうそうそう! 俺達しか居ないってば。ね、俺の子とお兄ちゃんって呼んで」
2人は、名残惜しげに猫を下ろし、みかどに詰め寄る。
「あ、あの、お兄ちゃん」
「!」
二人は美しく倒れると、その場で床を叩いた。
「ああ! 神様ありがとう!」
「是非とも、デザートを一緒に食そう。ご馳走させてくれ」
笑顔の安売りと言わんばかりに、天使のような笑顔を絶やさない2人。ドキドキして、目が離せない。
「もーう。二人とも止めて下さい!」
閑古鳥が鳴く店内で、テーブルを拭きながら、店長が口を尖らせる。
「2人が来たら、猫さん達が帰ってこないんですよ。定宗さんに見つかったら怒られるから、可哀想なのに」
「あははは」
「でも猫でも女の子は女の子だからね」



