カフェ『アルジャーノン』の、お兄さん☆


「リカ、今日も君は綺麗だね」
「ジャロとモカとモナもおいで。俺の膝は順番だが、そばで顔を見せてくれ」
 噎せる様な、甘ったるい声。まるで、恋人に囁いているかのようにな身体の芯から熱くなるようなセクシーな声にみかどは思わず赤面する。
「あ、あのう……」
 勇気を出して近寄ると、猫四天王はうっとりと撫でられながらスタッフルームから出てきた。

「あれ、新しいバイトちゃん」
 優しく話しかけてくれたのは、オレンジ縁のメガネをかけた、色んな方向に髪をひねって硬めた金髪の青年。口元のホクロがセクシーで、ピンク色のTシャツに赤いGパンと、なかなか派手な格好をしている。蛍光ピンクのエプロンで、原色を愛すお洒落なイケメンのようだ。

「ああ、リヒトは仕事で千景ちゃんのLINE見てないんだったね」
 今度は三匹に甘い言葉を囁いていた青年が此方を見上げる。
 黒いスーツに黒縁眼鏡、サラサラで艶のある黒髪。切れ長の目元にあるホクロがこれまたセクシー。長い脚を組み替える姿が、見とれてしまう程、美しい。
 ついついみかどは二人の余りのかけ離れた美しさに凝視してしまう。男に綺麗の形容詞はおかしいとは思うが、化粧でもしているのか、同じ人間の様には思えない、ここだけ、芸能人が来たかのようなオーラが出ている。顔、小さすぎる。手足が異常に長い。

「あ、あのっ」
 二人が携帯を開き、千景のLINEの内容を見ている中、みかどは大きく息を飲む。
「201号室に引っ越しました、楠木みかどと申します」