「リカー、モカー、ジャロ、モナー!」
スタッフルームから出てきたのは、それぞれの猫用にブレンドされたキャットフードを入れた猫皿を四つ、御盆に乗せた店長だった。店長はしきりに名前を呼ぶが、返事が何処からも帰って来ない。
「あああの、誰をさがしているのですか」
「みかどちゃん。可愛いウエイトレスさんですね。とても似合っています。お人形みたいです」
にこにこと店長が笑えば、みかどは一気に耳まで真っ赤にした。優しい笑顔は、整った顔立ちの店長がすると極上に甘くなり心臓に良くないようだ。
「ひい、とんでもない。可愛くないでごめんなさい。所で、探している方々は」
「そうでした。探しているのは、定宗さんの子分さんたちで、猫四天王です」
「猫四天王……」
新しいメンバーに思わず息を飲む。
「えー、鳴海んったら、名前呼ぶだけで本当に探す気あるの」
「名前の呼び方も適当だよね」
スタッフルームのドアがスライドされ、中から甘ったるい匂いと共に艶やかな声が聞こえてきた。



