千景はみかどを豊満な胸に押し付けるほど強く抱きしめる。純粋で、自分に自信が持てる環境になかった子が、それでも懸命に生きている。それは千景にとって食べてしまいたいほど可愛い生き物だった。
酔っ払いの様な絡み方をする千景に引きずられながら、201号室へ向かう。ピンク色の可愛いハートの表札に千景の名前が書かれている。玄関を開けると、台所がすぐ見え、その奥に窓付きの6畳ぐらいのフローリングの床が見えた。ワンルームで小じんまりしているが、一人暮らしであれば手狭には感じないだろう。ピンクのカーテンにピンクのソファ、台所はピンク一色の食器にフライパン。
「わああああ、可愛いです! 私、こんな可愛い部屋に住んだことなっきゃあああっ」
喜び、360度回転しようとしていたら、窓のレールにかけられたピンク色の総レースの透ける生地の下着を見つけ、悲鳴を上げた。もう一度悲鳴を上げたが、それは見たことの無いアルファベットの書かれたブラだったからだ。こんなに大きなブラを見たことが無く、軽くカルチャーショックを起こしている。



