『人助けはお主の性分なのかのぉ?』



あきれたように溜息を吐く神楽さん。



「困った人がいたら手を差し伸べなさい。ひいおばあちゃんから教えられました!」



『お主の根本はその曾祖母で出来ておるのだなぁ・・・よし行くかのぉ、さて気を引き締めていけよ』



神楽さんは真剣な声で言う。



「分かりました!」



神楽さんのその言葉に頷き前を走る犬に目線を戻した。



建物の間の細い隙間を通り何処かの路地裏に向かっている様だった。



『もう少しです!』



そう言ってからまたしばらく走ると目の前の犬が急に止まる。



『あそこです!』