もう何が何だか分からなくなり思わず声をあげる。



「本当にありがとうございます。命を助けて頂きどうお礼をしたらよいのか…」



ローザは私の声に振り返りドレスの裾を両手で摘みお辞儀をする。



「お礼なんて…」



「いえ、この度はローザ様をお助け頂きありがとうございます。ぜひともお礼をさせてください」



ユリウスが私の言葉に声を被せるように言う。



「ほんとお礼なんていいんです!それよりローザちゃん、よかったね」



そうローザの名を口にするとユリウスは怪訝そうに私を見る。



「ところで、なぜローザ様のお名前を?」



「あぁ、ロイドが言ってたので勝手に呼んでしまっていました」



「ロイドとはあのロイドですか?」



ユリウスは一緒に来た男の人に手当をされている犬に目線を向けながら聞いてきた。



「はい!ローザちゃんが危ないことになってることもロイドが教えてくれたんですよ」



何事もないように答えるとその場にいた人たちは驚いたように目を見開く。