助かったんだぁ。
もう、最悪のことは無いと安心し腕の中にいるローザを見下ろす。
「ローザちゃん。良かったね。もう怖いことはないよ」
優しく囁くと余程怖かったのかローザは泣き出し私にしがみついてきた。
「怖かったね。よく頑張りました」
そんなローザが可愛くて頭を撫でながら慰めていると。
「・・・ローザ様」
先ほどと同じ声が聞こえた。
その声にローザは体を強張らせ「ユリウス…」と呟く。
「ローザ様。お怪我はありませんか?」
ユリウスと呼ばれた男の人が私たちの目の前に膝をつき頭を下げながら言うと、続々と周りの男の人たちがそれに続いた。私は状況がつかめず黙ってそれを見つめる。
「私は大丈夫です」
ローザは私からゆっくり離れ涙を拭いながらその男の人たちの前に立つ。
「皆には大変ご迷惑をおかけしました。勝手な行動をしていまい本当にごめんなさい。頭を上げてください」
その姿は堂々としていて先程まで泣いていた小さな少女には見えなかった。
「あ、あの!」


