このままじゃ割れる。その思った時、押される体を支えるように背中に手が添えられた。



「ローザちゃん・・・」



ローザの力を借りても衝撃波を抑えることができずそのまま押される。



「かかかっ!もうその壁も終わりだな!」



男の気味の悪い笑い声が路地裏に響く。



「ローザちゃん、逃げ・・・」



後ろを振り返った瞬間、バキっ!と音がし壁が割れてしまう。咄嗟にローザを抱きしめ、衝撃波に備えた時だった。



「終わりなのは貴方です」



何が起きたか確認する為に後ろを振り返るとそこには、襟詰めの真っ黒な軍服を着て剣を構える男の背中があった。



背中まで伸びた髪の毛を一つに纏めたその人は衝撃波を放った男を剣で弾き飛ばす。



男のくぐもった声が聞こえたかと思うと、数人の男の人たちが現れその男を捕らえていた。



『世那!よく持ちこたえたの』



続けて聞きなれた神楽さんの声が聞こえた。



「か、神楽さん・・・」



突如現れた男に目を向けつつ神楽さんの名前を呼んだ瞬間、安心したのか体の力が抜けていくのを感じた。