男の手の周りにはロイドと呼ばれた犬を飛ばし時よりも大きな力が集まっていくのを感じる。



このままではローザもろとも衝撃波を受けてしまうことになる。



「なんだ、怖気付いたか?」



『あれはもろに受けると危ないのぉ…世那、両手を前に出してあとは任せろ』



ちゃんと出来るか分からないけどやってみるしかないよね。



「無視しやがってっ!くらえ!」



神楽さんに言われた通り、両手を前に出す。



『音よ我を守れ!』



その瞬間だった。キーンと音がして白い半透明の壁の様なものが出来て男の放った衝撃波を弾いたのだ。



「なっ!くそっ!」



「っ!」



男がより力を込めたのか突き出した両手が衝撃波に押される。



しばらく攻防をしているとピキッと壁にヒビが入った音が聞こえた。



『くそ、まだ力が不安定じゃ』