「これであってるん?」


「…は、い…。」


恐縮でございます…



斎藤歩くんのわかったこと:めちゃくちゃ賢かった。


後から聞けば、図書委員らしい。そこが一番睡眠を取れる場所だからとかなんとか。山本さん、ちょっと嫌そうな顔してた。竜馬ときっともっと話したかったんだろうな。

無自覚な竜馬、むかつく。


わかってんのかな、自分の立場。


「なんでなんも言わねえの。」


竜馬は不機嫌そうに喋る。


わたしはそんな竜馬をふんと無視する。女子にあんなに迫られてたくせに、よく言うよ。こっちの気も知らないで。


今だって、山本さんの視線、痛いくらいに感じる。


きっとわたしみたいにずっと竜馬のこと見てるんだ。


「んだよ、機嫌悪いな。」


いつも不機嫌そうなあんたがよく言うよ。


「ふーんだ。」


ちょっと拗ねてみた。

きっと今のわたしの顔、山本さんと同じ顔だと思う。


「何怒ってんの。かまちょ、もしかして。」


「バーカバーカ。」


かまちょですよ、悪いですか?