「っぶね。」


竜馬が少しだけ後ずさる。


背が高いから顔をあげないと見られない、君の整った綺麗な顔。


久しぶりに見れたよ、竜馬の顔。

久しぶりの竜馬の甘い香り。

久しぶりの竜馬のちょっと驚いた顔。


竜馬!

竜馬!


身体中が叫んでる。竜馬に会えて嬉しいって。まるで世界中が幸せに包まれたような気がした。

竜馬の瞳に映る理由が今はある。竜馬を見つめてもいい理由がある。

ああ…好きだよ、って伝えたい。

そしたらきっと、竜馬は困ったように笑うのかな。


何を喋ろう。
何を言おう。


こんなにも竜馬が大好きで、こんなにも会いたかったのに…

いざ目の前に竜馬がいると頭の中が真っ白になって、思い描いていた計画全てが泡になってしまう。


「…………えっと、」


わたしは言葉を探すけど、身体中がパニックに陥っている。どうしようどうしようって、すべての細胞が焦ってる。


「…変われたか?」


まるでわたしの心境がわかっているかのように、落ち着いた口調で竜馬が問いかけた。


「お前、自分変えれた?」