『あんたと出会えてよかった、咲。』
なんてコーヒーミルクを飲みながらユリに言われた時、思わず涙ぐんでしまった。そんなわたしを見てユリはカラカラと笑ったっけ。
化粧つけてなくてよかったね、なんて言いながら。
ママ、わたし友達できました。
初めての心から大好きな女の子の友達です。
ねえママ。
生きててよかった。
いろんな喜びが待っています。
ママも天国で見守っててね。
わたしはきっと幸せ者だ。
「ユリ、神木竜馬って知ってる?」
ユリと出会ってから二週間。
こんな短期間の間に、わたしは半年近く一緒にいた夏帆たちにも言えなかったようなことをたくさん教えている。
きっと時間じゃないんだ、絆は。
「ああー、あのクールくん?」
「そう!」
「あんたの好きな人?」
「ぶっ!」
思わず飲んでいたみかんジュースを吹き出してしまい、ユリにドン引きされた。
「わっかりやすー。」
「ちょ、え?」
「だってあんたいっつも見てんじゃん。」
「そ、そんなこと、」
「それに音楽室でいけないことしてんじゃないのー。」
「へっ?なんで知って、」


