ー神木竜馬。
それが彼の名前。
普通な名前だけど、わたしにとっては世界で一番綺麗でかっこいい名前。
廊下で誰かが、『竜馬』って呼ぶだけで胸がときめく。
何十人生徒がいても、すぐに見つけてしまうあの背中。
先生が授業中、『神木』って名を言うだけで、わたしは胸がいっぱいになって、まるで自分のことかのようにドキドキする。
竜馬…。
竜馬。
竜馬…!
何度その名を心で呼んだか。
何度その名を思い浮かべたか。
宿題をしていても、夕飯を食べていても、友達としゃべっていても、常に彼の名が脳の大半を占めている。
こんなの全部、全部、初めてで、どうしたらいいのかわからないよ。
竜馬、好き。
竜馬が大好き。
竜馬!!!