翼を広げて



「バカ!!!!」



歪んだ視線を後ろの人に向ける。



本気で焦ってる顔。


眉間にしわを寄せて、本気で怒ってる顔。



竜馬…



「自分が何しようとしたのかわかってんのかよ!!」



竜馬が初めて怒鳴った。低くて怖い声だった。



本気でなんか、死ねるわけない。

ただ、外を見てみたかったんだ。


鳥になった気分を、少しだけ、感じてみたかった。




こんなこと、普段のわたしなら絶対にしない…。


こいうことしたら…誰かわたしを止めてくれる人はいるのだろうか。そればかり考えていた。


そしてわたしは知っていた。




竜馬ならきっと、止めてくれるって。




「………ぅ………りゅうっ、ま…。」


「泣く気力あんだったら生きれるだろバカ!」


「……っ………。」


「誰かが消えることで、周りの人がどんな思いするかわかるかよ!?」



わたしが消えたら………?



「誰もっ……っ悲しまないよ!!!!」



悲鳴じみた声を上げた。



「誰もわたしのことなんっ、かっ、気にしてない!!!!」



涙があふれてあふれて止まらない。

頬を伝ってこぼれ落ちる。