翼を広げて


竜馬はまるで図書館の本みたい。

なんでも知ってる。

わたしの名前の由来だって、鳥の生活だって、全部、全部知ってるんだ。


すごく、頼もしい。

すごく、かっこいい。


ん…?

かっこいい?


な、なにそれ…そんな、竜馬が…?


一人悶々と考える。


「でもワンチャン付き合いたくね?」

「あー、確かに。」

「あんなイケメン隣に歩いてたらさ、気持ちよくない?」

「わかる〜。神木とデート行ったらみんな見てきそう!」

「やば、超楽しそうなんだけど。」


なに、それ…

そんなことのために、竜馬を使いたいの?

ひどいよ…



「りゅ、神木くんはさ!」



知らないうちに大きな声をあげていた。

ハッと息を飲んだときにはもう遅かった。みんなの視線がわたしに向けられていた。

どうしよう…どうしよう…どうしよう…



「っと…そういうの…」


『嫌なんじゃないかな』


これ言ったら、わたし、どうなるんだろう。

もう、ここにはいられなくなるのかな。