翼を広げて


「でも、案外優しいかもしれないよ。」

今までだったら、みんなと違う意見なんて絶対言えなかった。

とにかくみんなと合わせる。それだけに全神経を向けていた。

わたし、変わったのかな…

「なにそれ〜!」

夏帆がケラケラ笑う、

「もしかして、好きになっちゃった?」

「は、はあ?ないないない。」


そう言って首を振った時…

ここにいるはずのない、竜馬と、バッチリ目があった。


無表情だった、あいつ。


別世界にいるかのように揺らめく竜馬は、そんなわたしの声を聞いたのか聞いていないのか、ふらり、またどこかへ行ってしまった。


どうしてこんなにも…胸の奥がちくっとするの。

痛いよ、心が。


好きじゃないよ…好きじゃないのに…どうして、竜馬のあの時の顔、浮かんじゃうんだろ。

別に気にしてない。

わたしだけが、自意識過剰になってるだけ。


それが、どうしてか…虚しいんだ。


なんで…なんで?


だけどわたしの心境を知るはずもない女子は恋バナを続ける。


「でも結構いるよね、神木好きな人。」

「ああ〜確かに。大体が派手系女子だけどね。」

「うんうん。だからもっと近づけないっていうのあるかも。」


そ、うだったんだ…

全然知らなかった。


竜馬って、モテるんだ…