「ダントツイケメンだし、モデル並みの容姿だけど…」
夏帆が口角をキュッとあげる、
「性格がねえ。」
「そうそう!怖すぎるんだけど。」
「わかる〜。誰ともしゃべんないし、何考えてんのって感じ。」
前までは『へえー、性格悪いね、みんな』程度で聞いていたはずが、どうしてだろう…今、傷ついている自分がいる。
自分のことでもないのに…まして、一番大嫌いだったはずのあいつに…どうしてこんなにも、ムキになっている自分がいるんだろう。
いいじゃん、どうとでも言われてれば。事実なんだし。
って、小悪魔な自分が言う。
だけど…
そばにいてくれたじゃん。泣いているところ他の生徒に見られないように気遣ってくれたじゃん。
って、天使な自分が竜馬をかばうんだ。
「調子乗ってるよね!」
「うん!ちょっとかっこいいからって、女子コロッと行くって思ってる絶対!」
ぜ〜〜ったい!思ってない、そんなこと。
それはわたしが保証する。
あいつ、興味なさそうだもん、そういういざこざ。
とにかく、みんなよりは絶対に竜馬のこと知ってる。
だから、知りもしないこと、言ってほしくない。