「ねえ、何なの?」

もう一度立ち止まる。

神木竜馬はしばらくわたしをじっと見つめていた。

シュッと筋の通った鼻に、くっきりと見える顎から頬にかけたライン。

驚くほど白い肌に、キツい光を灯すキリ長の鋭い瞳が映える。

「お前さ…、」

視線が交差する。

「施設にいた…?」

え…

時が止まった。

声が出ない。

早く何か言わないと…

「な、なにそれ。」

「だよな。ごめん。」

そう言って歩き出す神木竜馬を止めている自分がいた。