あんなやつらと真剣に接した方が馬鹿げている。

ふうー。

深呼吸をすれば、少しだけ頭痛のする頭も、落ち着いてきた。

図書室にでも行ってこよう。どうせわたしがいなくたって誰も困りはしない。

そのまま図書室に足を踏み入れれば、ふと、昨日神木竜馬が入っていた言葉が蘇ってきた。

『鳥にはなれねえよ。』

自然と足が生物の棚の方へと向かう。

『ちゃんと調べてから口にしろよな。』

なんの気まぐれか、気づけば手に鳥類の分厚い本を持っていた。

パラパラとページをめくってみる。

雀やカラスや鳩をはじめとして、たくさんの鳥の種類が並んでいる。

そうか、鳥にも種類があるのか、なんて、当たり前のことに今更気づく。

鳥は鳥だと考えていたけど、思い返せばいろいろな鳥が存在する。

中には全然聞いたこともなかった鳥の名が次々と飛び込んでくる。


アホウドリ、くまたか、五位鷺(ゴイサギ)、しゃも、紅猿子(ベニマシコ)、百合鴎(ゆりかもめ)…


「わあ…綺麗。」


アメリカムラサキバンーAmerican purple gallinule


宝石みたいに美しい青い羽を生やし、黄色くて大きな足が特徴的なその鳥は、とても派手で綺麗だった。

長くて難しい名前だけど、その容姿に目を奪われた。