午後の授業はいつものようにつまらなく、面白みのないものだった。
どうしてわたしはここにいるのだろう。
ふと、たまにそう思う。
親に行かされたから?ここを受験しないと大学に行けないと思ったから?
じゃあ、どうして大学に行かないといけないのだろう。
終わりのない質問を自分に問いかける。
どうして好き勝手して生きたらいけないのか。どうして自由になれないのか。
勉強をして大学に行って就職するか主婦になるか。そんな人生選択を与えられたのは人間だけだ。
他の動物は、皆、自然の中で自由に生きている。
どうしてわたしは人間として生まれたのか。この知能をうまく使えもしない自分が、存在する意味はなんなのか。
問いだしたらきりがない。
きりがないけど問わずにはいられない。
わたしはどうしてここにいるのだろう。
最終的には、また、同じ質問にたどり着く。
下校チャイムとともに、まだ暑いのに強制的に規則で着ないといけない、長袖の制服を捲り上げ、鞄に教科書を詰める。
「咲〜、帰ろう!」
みんなの声にうん!と笑顔で答える。
本当はめんどくさいけど。
図書室によって本を借りたいけど。
でも、もちろんそんなことは言えないし、言ったらいけない。