「斉藤…く、ん…と、○○駅のカラオケ、いる」
『あっそ。てか、斉藤に代わって』
「斉、藤くん…!」
気持ちよさそうに眠っている斉藤くんの肩にそっと触れれば、
「んん?」
と寝ぼけた声を上げる。
「あの…竜馬から。」
そういえばそうだった、なんて表情をして携帯を受け取る斉藤くん。本当に読めない人だなあ。
「もしもーし。ん、そう…んーなんか友達じゃない人が迫ってたから…って、うるさいよ、耳が壊れる。うん、うん、…あ」
不安げなわたしの視線を感じたのか斉藤くんは一瞬だけ携帯から耳を離した。
「なんかね、竜馬着いたって」
「そう、なんだ…って、え!着いた!?」
「うん」
けろっとした表情でそう答える斉藤くんにわたしの脳内はプチパニック。
なんで来るのよ。
そう思うわたしが素直じゃないことくらい、自分がで一番わかっていた。


