悪魔と付き合うことになって一日が経った。



放課後を告げるチャイムと同時にわたしは教室から駆け出す。


理由は一つ。



悪魔に捕まらない為。



必死で駆け込んできたわたしを、


「……逃げれると思ってんの?」


バッチリ靴箱で待機してた悪魔が待ちかまえていた。


しかも、めっちゃ不敵な笑みでわたしを見下ろしてる……。


「思ってません……」


言い返せない自分が情けない……。


目も合わせずに答えるわたしが気に入らないのか、



長い人差し指でわたしのおでこを突き、視線を自分の方へと向けさせる。



「おまえ、鍛え直すから」



鍛え直すって……、


何を~っ!?



根性とか??



そんなヤンキーみたいなセリフを仮にでも彼女に吐く!?



「い、いらない」


嫌がるわたしの腕を構わず引っ張りながら、



「……拒否権ないよ。おまえ」



満面の笑みで言っちゃったよ……この人。



「ヤだぁぁぁっ!!!!」



全力で嫌がるわたしに、



「喚いたらここで口塞ぐから」



甘さが微塵も感じられない囁きでわたしの唇に指を当てた……。