「ほらっ。入れ」



こうして悪魔に連れられてきたのは、



「ちょっと待って!!」



伊崎邸のバスルーム前。



さすがのわたしも、これには声を荒げた。


だって!!


「早速これなのっ!?」


いくら若者の性が乱れてるからって……、


付き合って初っ端からこれはないでしょっ!?



一人慌てまくってるわたしに、


「はぁっ? おまえ自惚れんなよ。誰がそんなまな板に手ェ出すか」


思いっ切り鼻で笑う悪魔……。


それはそれでムカつく。


「まな板っ!? ブレザーとかセーター着ててわかんないだけでーっ!!」


「いい。期待してないから」


アッサリ答えるのが余計に腹立つ……。


「ちょっと!!」


「うっせぇ。そんなに言うんなら脱がしてやろうか? 見せろよ。実物」


ムキになって言い返すわたしを壁に追いやり、悪魔がブレザーに軽く触れた。


ヤバい……。


これって……墓穴?



「嘘!! 嘘です!! ペチャンコだからっ!!」


慌てて否定したわたしを見て、悪魔は吹き出して笑ってる。


えっ……。



なんで笑われてんのよ……わたし。