顔がすごく近くて……、


わたしの顔は一気に真っ赤になっていく。


「わぁ~ラブラブ?」


廊下の方から通りすがりの冷やかしが聞こえた。



端から見たら、キスはお預けってな感じなのかな……?



……違うから。


そんな甘いもんじゃなくて……脅迫だから、これ。


「行くぞ」


「……」


公衆の面前で口塞ぐのだって、この悪魔ならやりかねない……。


わたしは、泣く泣く黙って悪魔について行くしか出来なかった……。