「ごちそうさまでした」

両手を合わせてそう言ってから、キッチンにお皿を置きに行った。たぶんだけど、今ピロはわたしの隣に立っている。

「あー!」

流しを見て思い出した。そういえば昨日、お皿を洗わずにそのまま放置していたんだった。

どうしよう!おばあちゃんにバレてたらどうしよう!

絶対怪しまれるよね。

わたしは急いで重ねられた食器を洗って、何事もなかったように済ませた。

「ねぇ……そのお皿」
「あ、おばあちゃん!ちょっと聞きたいことあるんだー!」

不審そうにボソッと呟いたおばあちゃんを無視して、話を逸らすためにわたしはうるさいくらい大きな声で話しかけた。

もしおばあちゃんがピロのことを知ったら、悲鳴をあげて倒れちゃうよ。

「宇宙人がいるー!」ってね。

「わたしのお父さんとお母さんって、どんな人だったの?」

するとおばあちゃんは、なぜか目を大きく見開いてキッチンを飛び出してしまった。