「ねぇ、こっちにおいでよ。」
黙っている私にしびれを切らしたのか
そう呼びかけた。なぜだかわからないけど、
彼についていってもいいような気がした。
フェンスをもう一度乗り越え彼の元に行く。
「なんでしょう。」
警戒した声で話すと彼はふわっと笑った。
「君と話がしたいんだ。来て!」
そう言って彼は私を連れ出した。