2人だけの。あの静かな公園へ私たちは居た。
たわいもない話をして帰り際に触れるだけのキスをしてお別れをする。その日もそのはずだった。
「じゃあ…」
別れを伝えようとすると彼を呼び止めた。
「ねぇ。君は私が好き?」
思ったより声が震えた。名前も知らない彼と私の繋がりは毎日夜にだけ会うこの場所と屋上だけ。
「どこにもいかない?そばにいてくれる?」
ポロポロと涙が溢れる。彼は私に唇を重ねた。彼の頬を涙が伝う。再び唇を重ね会い今度は深いキスをする。どちらの涙とも言えない雫が地面に落ちる。彼は綺麗に笑った
「どこにもいかない。」
その日2人は綺麗な夜空にずっと一緒という願いを込めて眠りに落ちた。
